





僕は遠野に「還ってきた」のだろうかーー。
東京の広告代理店で働いていた著者が、導かれるように遠野に住まい、遠野物語に出会い、シシ踊りに出会った。他者からもたらされた端緒を道標に、その身をもって土地とつながる扉を開いていく。異界の存在、妖怪や山人、人間が人間の枠を越境する瞬間。遠野に息づく深い物語と文化に慄きながら、やがてその深みに引き摺り込まれていった渾身の探訪記。未知であり懐かしい、ここにはまだ見えないものたちの世界がある。
発行:亜紀書房
発行年:2025年
サイズ:四六判
ページ:348p