"息をする、息をしながら通りを眺める
誰かが歩いているのが見える、あれは人だろう
私と同種だ、同種の他人だ、
向こうも息をしているだろう"
小説のかたちをしていますが、これは散文でもあり、日記でも詩でもあります。連投するエクリチュールによって構築されていくこの異質な世界に住む住人は、生まれて消えていく人間という生き物の本質をずっと真剣に考えている。その答えを探し続ける姿が綴じられています。
写真家・志賀理江子さんがこれらのテキストに向けて撮り下ろした写真約30点を収載。言葉と写真が織りなす不可思議な作品世界からは、深くゆっくりとした呼吸音が聞こえてきます。五感に響く至極の一冊。
縦開きの横組というめずらしい版面で制作されています。
写真:志賀理江子
発行:palmbooks
発行年:2024年
サイズ:154×154 mm
ページ:144P