「やがて自分が幽霊であることを、果てしなく続くこの反復が自分の人生ではないことを忘れてしまうだろうーー」
失恋した時間を繰り返す幽霊、雨になった幽霊、ゾウにとっての幽霊、死神をやり過ごす幽霊、土に根を張った幽霊…。幽霊たちの物語を100編集めた短編集。1話2ページほどの掌編が次々と呼び起こすイメージの断片は、物語というより消えることのない情感の集合体のよう。いつか幽霊になる人たちのための、切なくて、おかしくて、奇妙なストーリーたち。
発行:東京創元社
発行年:2024年
サイズ:四六判
ページ:268P