「書いたのに書けていない、書いた端から書いたことに裏切られる。こんなことを繰り返すうち、ふと現実の日記それ自体がむしろままならなき現実そのものと化してしまった。ーー書き直さなければならない。」
西武新宿線を舞台に、四日間の日記を繰り返す私。幻想か、現実か。チラシの裏に書き記す日記が淡々と無限に拡張され、「私」も「現実」も次第に希薄になっていく。
過去に幾度も改稿され、「4割は血液を入れ替えた(著者談)」手応えであるのにもかかわらず、恐ろしいほど「変わらなかった」という、物語の強さを誇る『四十日と四十夜のメルヘン』ほか、初期の傑作群を収めた大ボリュームの作品集。
発行:書肆侃侃房
発行年:2026年
サイズ:四六判
ページ:592p