Googleマップ上で捉えた建造物の航空写真が収められている。これらは刑務所で、囚人たちはこの中で各々の寿命とは別に「懲役」という時間を生きている。囚人たちの膨大な時間を抱える建造物は、幾何学的であったり左右対称であったり、歯車型や放射状などさまざまで、効率的に人を収監し、管理するために編み出された形状であることが読み取れる。作者はGoogleマップで各国の刑務所を巡りながら、「溶かす」とう表現が「時間」に使われるようになったことについて思考する。効率化されたシステムの中で生活している私たちは、余った時間を何に「溶かし」ているだろうか。この中にはひとつだけ、Amazonの倉庫を捉えた写真が混ぜられている。多くの人が利用するこの便利なシステムの中枢が一見刑務所と見分けがつかない、その事実をただ綴じることで、大きな問いを置いていく一冊。(デザイン:伊藤裕)
発行年:2026年
サイズ:182×130 mm
ページ:24P