災害は、その出来事の大きさに衆目を集めるのも束の間、時が経つにつれしだいに人びとの記憶は薄れていきます。 あのあと被災地はどうやって再生したのか、日常は戻ってきたのか、まだこないのか、その中で人びとは何を思っているのか。そういったことを考え続けていくためにつくられました。
破壊し尽くされたあとにも、少しずつ草木が芽生え、人びとが戻り、街がつくられていく。どの場所にも並ぶ真新しい住宅団地、ひたすら続く巨大な防波堤は、一見どこも同じように見える風景であっても、その下には其々の時間や物語が地層となって集積している。
本書は、ウェブプラットフォーム「住むの風景 Scenes of New Habitations ーーこの先の「住む」を想像するプロジェクト」を書籍化したものです。岩手県・宮城県・福島県の海沿いの風景を捉えた写真190点と、土地々々の言葉が綴られています。
写真:トヤマタクロウ
文:瀬尾夏美
発行:YYY PRESS
発行年:2023年
サイズ:188 × 263mm
ページ:312p