誰にでも訪れうる大きなさよならに、私たちはどうやって向き合っていけばよいのだろうかーー。
建築家の父を持ち、自身も建築家である著者による、母の看取りと実家の手放しをめぐるエッセイ。父が設計した家に住み続けることにずっとこだわっていた母。次第に弱っていく母を、大好きなこの家で看取ることができたことをきっかけに、著者は家を手放すことを決意します。母の死、お金のこと、父の病気と自身の病気のこと、仕事のこと。大きな喪失と悩みの中で、ふたりを前進させたのは"新居を改装して絵の塾を開く"という計画でした。
帰れる場所とは何か、場所とは何か、建築とは何か。単に物質としての建物だけではない、人間の営みとそこで生まれるさまざまな出来事、紡がれる情感を内包するという建築の本質と、新しい一歩を踏み出す再生の軌跡が綴られています。
発行:烽火書房
発行年:2026年
サイズ:四六判
ページ:192p