



「…結局、今日も明日も日常を繰り返すほかない。それを繰り返すうちに人生は終わってしまうのか。何とかしなければと焦るが、何をどうしていいのかわからない。」
あんパンとクリームパンしか売っていないパン屋の二階に下宿している洋裁職人の初子さんは、長閑な京都の商店街で日々忙しなく一生懸命に働いている。けれども夢だった洋裁職人になったのに、繰り返すほかない毎日にうんざりしてしまうーーー。
さまざまな人間模様とささやかな暮らしの風景、人生のままならなさを人情味あふれる文体で軽やかに描き出した、著者の原点となる傑作小説集。
発行:palmbooks
発行年:2025年
サイズ:B6判変型
ページ:192p