





いますぐすべての殺戮をとめるように
いまだれかがころさなくてすむように
生も死もだれにもとめられることなく
ここはここであり、ぼくはぼくであり
ここもだれかもけっしてぼくではない
抽象化された世界は波上のように揺らめき、形を変え、沈んで起き上がり、たくさんの記憶をあちこちへと積み上げていく。信仰、伝承、誕生、戦争。船なき航海日誌は、そうやって積み上げられてきたひとつひとつが今いるあなたや私だと教えてくれる。アーティスト・詩人として活躍する青柳菜摘さんによる第3詩集。
サウンドアーティスト細井美結さんと共同制作したインスタレーション作品〈新地登記簿〉のために書かれた5篇、青森県十和田市での展示〈忘船記〉の7篇、ほか未発表の詩篇が収録されています。
発行:thoasa
発行年:2024年
サイズ:161×226 mm
ページ:136p