


ノルウェー、フィヨルドの家。息子の誕生を心待ちにしていた漁師のオーライは、子どもに自身の父親と同じヨハネスという名前を付け、やがて息子も漁師になる。時が経ち、妻を亡くし年老いたヨハネスは、ある日いつもと同じでまったく異なる一日を過ごします。
言葉にならないものに声を与える作家と言われるノルウェーのヨン・フォッセによる珠玉の小品。フィヨルドの風景に誕生の日と死の一日を描き出した、白昼夢のような幻想譚。沈黙の中にある情景の饒舌さはまるで映画のよう。哀しみをまとう美しい営みに胸が締め付けられます。
ノルウェーの少数言語であるニーノシュクから翻訳。
発行:国書刊行会
発行年:2024年
サイズ:四六判変型
ページ:152P