生まれ育った熊本で畑をはじめ、土地や人と出会い、絵を描いたり、歌を歌ったり、陶芸をしたりしながら暮らしている坂口恭平さん。元気なときも鬱で苦しいときも、いつも共にある家族との日々が綴られています。
長い鬱の果てに辿り着いた、ずっと目を逸らし続けてきた自らの寂しさの正体に、いま確かな足取りで立ち向かっていく。自分の思考だけを頼りに自らの内面へ深く潜り込んでいく、時に弱々しくとも勇ましい姿が胸に響くエッセイ集。
「自己否定の無意味さに、というよりも自己否定という行為が何か大事なことを隠していると気づくこと、それはすなわち、あの自分が恐れていた根源的な問題に直面するということだった。」
発行:palmbooks
発行年:2024年
サイズ:四六判
ページ:144p