



「橇(ソリ)を走らせている間の、粉々に砕ける力。人は一つの人生を、体操選手が逆立ちするようなふうに、自分で作り上げることはできない。」
カフカの研ぎ澄まされたまなざしで捉えた日常が、悩ましいほど繊細に綴られています。まるでこれ自体がひとつの物語であるように。孤独、不眠、父との葛藤、書くこと、夢、病。すべてのカフカ文学に連なっていく、もっともカフカ的ともいえる日記文学の金字塔。
カフカ没後100年の2024年、新版として復刊されました。100年以上前の日記を読むことができるという、書物の素晴らしさを実感します。
発行:みすず書房
発行年:2024年
サイズ:四六判
ページ:570P