楠や檜、桂などを用いて、彩色を施さずに素木仕上げの木彫作品を制作する、彫刻家の大竹利絵子さん。凛と立つ少女や動物たちは、ごつごつと硬く重量を感じさせるのに、まるで浮遊しているように神秘的です。その存在は静けさと霊性を伴い、空間に穏やかな圧力を与えています。本書では、制作の変遷を辿りながら、初期作品から2022年までの作品を収録。ドローイングやアトリエの風景など、創作の周縁も垣間見ることができます。春を待つ木々をイメージさせる萌葱色の表紙もうつくしい、初となる作品集です。作家・堀江敏幸さんと、神奈川県立近代美術館・水沢勉さんによるテキストを収載。
発行:torch press
発行年:2023年
サイズ:270 x 220 mm
ページ:152p