




20世紀後半のアメリカ現代詩のなかで孤独のうちに詩作を続けたイグナトー。平易にみえるその内に渦巻く「私」であることの苦悩、張り詰める感受性。哲学と幻想が交差する、頼りなく優しい67の短い詩が編まれています。
翻訳者・千石英世さんによるエッセイ、小説家・小池昌代さんによる栞文を収録。
ーーいまにも滑落しそうではないか このままでは
おれが おれのなかにめりこんでいく
明白なこととしていうが
しあわせになりなさいとはいわれなかった
重荷を背負っていけといわれた
この全重量なしではぐらぐらに揺れるおれである
(アトラス)
発行:七月堂
発行年:2022年
サイズ:四六判
ページ:249p