




チェコスロバキアの大統領も務めた、劇作家のヴァーツラフ・ハヴェル。1978年の激動のなかで書かれた、権力のありさまを分析し、真実の生の意義を説いた政治的エッセイ。
真実の生(人間として基本的な、尊厳のある普通の生活)を生きようとすることが、ディシデントの営みとなっていくと説きます。深い学識と経験や思考を頼りに、ポスト全体主義にディシデントとして立ち向かうハヴェルの姿は、同調圧力や忖度が蔓延る現代の日本で、それぞれの「今、ここ」において何をすべきかを問いかけます。
“あり余る自由を前に今何をなすべきか、正直定かではありません。韻文の世界が終わり、散文の世界が始まるのです。祝祭が終わり、日常が始まるのです。“(ビロード革命の翌年1990年のハヴェルの発言より)
発行:人文書院
発行年:2019年
サイズ:四六判
ページ:154p