素手で概念に立ち向かい、哲学することの意味を探求し続けた池田晶子さん。
彼女の文章を引きながら著者の若松英輔さんが導く本書は、思索の果てに見える微かでも眩い光のこと、考えるという行為のそこはかとない深さと豊かさのことを知らせてくれます。
救いであり、糧であり、呪的であり、人生である言葉。
幾度となく繰り返される言葉に対する思索は生涯止むことはなく、今もなお息づいています。
「苦しみは恩寵であるとは、本来このような文脈にあったのではなかったか。ーー苦しみ、苦しいというこの明らかな感情ですら、自分にとっては不可解な訪れなのだと知ることで、それがよってきたる遥かな方へと解き放たれてゆくといったことだ。」
発行:亜紀書房
発行年:2020年
サイズ:四六判変型
ページ:272p