初めのうちは文字通り手紙のやり取りだった行為が次第に自ら呼吸をはじめ、互いの言葉に影響を受けながら、まるで有機物のようにどこまでも伸びてゆく。
こんなにも考え、的確に言語化ができることに驚くばかりです。深い思考の中から生まれる言葉は、豊潤な土のようにやわらかく優しい。ほんとうの対話が成されていく様を目撃する、建築家と思想家による、生きるための土壌を耕す往復書簡。きっとわたしたちの日々の思考の手助けとなる、対話の記録です。
「ーその人間の生活が物質的に豊かになればなるほど、生き物が生きづらい貧しい世界になっていくという矛盾があります。より豊かな言葉が存在する世界は、生き物としての人間が生きていくための土壌が豊かなことを意味します。」
発行:灯光舎
発行年:2023年
サイズ:B6判変型
ページ:260p