戦争責任の軽視、植民地支配の正当化、差別の否認…都合の悪い過去を好き勝手に書き換え、「なかったこと」にしようとする歴史修正が世界中で行われるなかで、私たちはどのように歴史と向き合い、語り直すことができるのか。
ミュージアム研究者・小森直樹さんが世界45都市を旅し、各地のミュージアムで行ったフィールドワークをもとに記したエッセイ。文化戦争の時代に、ミュージアムが果たしているのは単なる文化の保存と展示ではなく、"語られてこなかった歴史の修正"なのではないか。政治性と公共性に支えられたその修正の営みに注目し、現代社会を共に見つめ直す思索の書。
"歴史とは、コレクションである。歴史の語りを修正するというのは、コレクションを基に新たなキュレーションを行い、展示室を現代に向けて再設計することだ。未来を形づくるのは、二〇年間ほっとかれた展示室ではなく、公正にひらかれ、人びとが共同しながら語り直し、つくり続けていく展覧会という「歴史」なのである。そのためにひらかれた場ーーそれがミュージアムなのだ。"
発行:太田出版
発行年:2025年
サイズ:四六判
ページ:304p