










庭仕事は瞑想であるーー
ドイツの文豪ヘルマン・ヘッセは後半生、執筆以外の時間のほとんどを自分の庭で過ごしました。庭仕事の中に尽きぬ愉しみを見出した彼は、のちに自身の文学へと結実させていきます。
庭仕事に勤しむ楽しそうな姿、直筆のかわいらしい水彩画も掲載されたこの本は、草花や木、土や雨、自然への賛歌にあふれた詩やエッセイが編まれています。
ナチス政権の圧力に苦しみながらも、ヘッセは高潔な精神を持ち続け、決して揺らぐことはありませんでした。
三つ揃えのスーツが似合う端正な顔立ちのヘッセが、作業服に麦わら帽子をかぶっている姿も必見です。
世界がまたしても狂気になり
大砲がとどろく前に もう一度
いくつかの美しいものを見て楽しみ
それらに歌を捧げよう。
発行:草思社
発行年:2011年
サイズ:文庫版
ページ:384p