人類学者3名を中心とするリサーチ・グループ「ホモ・サピエンスの道具研究会」による、世界のあじわいに気づくための方法が書かれた本です。
呼吸すること、書くこと、カバンの中身のこと、靴のこと、電車を待つこと。毎日の営みのうちにある少しのことでできている私たちの世界。
あたりまえのようだけれど、そこに視線を移してみると、案外複雑で、無秩序のようで秩序があり、不思議でおもしろい、昨日までとはまったく違った景色が見えてきます。
何かを変えようと思うとき、何かとてつもなく大きな出来事が必要なわけではありません。
そこに目を向け思考をめぐらせることで、世界には、たしかなあじわいがあることを気づかせてくれる本です。
*2013年、ファン・デ・ナゴヤ美術展の採択企画「のこりもの 世界の性質:残るということについての研究」の記録集として作られた本でもあります。
発行:ELVIS PRESS
発行年:2016年
サイズ:228×165mm
ページ:91P