故郷である広島県福山市を拠点とし、薬屋を営みながら創作を続けた詩人・木下夕爾さん。没後60年の時を経て97編の随筆がよみがえりました。野焼の思い出、夜更けに聞く雁の声、樹々のこと、暑い夏、詩について、詩友たちのこと。備後地区に根を下ろし、地域の人びとや風土、日々の営みを愛し、やさしく叙情的、時にノスタルジックな詩や俳句を綴った木下さんの輪郭が浮かび上がります。尾形亀之助氏、北園克衛氏の話題も登場。
木下氏を敬愛し、広島県尾道市で古本屋「弐拾db」を営む藤井基ニさんによって編まれました。
「×月×日。涼しくなった。星が美しく、虫がすだく、頭痛と午後の微熱の為今春来何も出来なかったので、寝るのがもったいなくて起きている。煙草と茶をのでいるうちに夜が明ける。ーー但し時に「永遠」が来て命令することがある。近頃はめったに来なくなったが。」
発行:中央公論新社
発行年:2026年
サイズ:四六判
ページ:392p