「あとお墓くださいーー」
耳が聞こえなくなったアナウンサーからの依頼は、叔母のお墓の手入れ、そして彼女自身のための新しいお墓を作ってほしいというものだった。彼女のちぐはぐで不穏なやりとりが主人公の日常を次第に侵食していく表題作「彼女のカロート」。
読むことに困難を抱えながら文学に殉じる青年が、高齢男性の家庭教師を務めるなかで、ある〈宝物〉をめぐる冒険に巻き込まれていく「宦官への授業」。
圧倒的な筆致で瞬く間に読者を引き込む傑作2編を収録。
倉本さおりさん、滝口悠生さん、町屋か良平さんの3名が選者となり、文芸誌で発表された作品や入手困難になっている書籍の中から、改めて読み直されるべき作品を刊行するシリーズ〈First Archives〉第一弾。
発行:フィルムアート社
発行年:2026年
サイズ:四六判
ページ:236P