


シリアのダマスカス生まれの作家、ディーマ・アルザヤットによる初の著書。
自身の生まれ育った背景を写すように、自分が本来属していた場所とは異なる場所で生きる、あるいは生きざるを得ない人びとの姿が描かれています。時に現実よりもリアルな幻想が、あらゆる差別や暴力、生きづらさ、複雑なアイデンティティを描き出す。そして、その先に見えてくる思いがけない明るい景色も。考えられているよりもずっと複雑である現実を決して容易にすることなく、多様な声を届けようと綴られた全9篇。
発行:東京創元社
発行年:2023年
サイズ:四六判
ページ:262p