「その場所は、無意味な空白か、意味のある余白か。
心とは器なのだろうか。だとすれば、その器を満たすものは、なにか。」
日常のささやかな出来事をきっかけにゆるやかに伸びゆく思考。器を買いに行った先で、トンカツ屋さんで、スーパーマーケットで、フードコートで。過ぎ去った心象や喪失、世界との違和感、自己のやるせなさを描き出す様は、フニャフニャと頼りないのに大きな包容力がある。穏やかで覇気がなく、低空を彷徨うような随想が、ゆっくりと心の奥底に浸透していく。臨床心理士の浅井音楽さんによる初めての書き下ろしエッセイ集。
章の合間には、著者の思索に寄り添うような文学者たちのことばが添えられています。
発行:KADOKAWA
発行年:2024年
サイズ:四六判
ページ:224p