




作家、ハン・ガンが20年余りにわたり書き続けてきた詩60編。夜そのもの、というよりも暗くなる少し前、すべての輪郭が曖昧になり、境界が霞む、そんな時刻。何かの一歩手前、ずっと奥にしまわれていた作者の心象風景を掬い上げた、繊細でしなやかな言葉が綴られています。
「ごはんを食べなくちゃ」という一節に救われます。ヒリヒリと痛み続ける傷をそのままに抱きしめまた歩き出す姿は、どんなにか細くとも、逞しくうつくしい。
死ぬというのはとうとうモノになれるという とてつもないこと
それがなぜ苦痛なのか知りたかったのです。
発行:CUON
発行年:2022年
サイズ:四六判変型
ページ:192P