「…いま見ているものは、ほかの人が見ているものに過ぎない。その限られた視覚を彼は選んだ。この世界で普通の人間として生きるつもりだ。二度と眼鏡を外すつもりはない。」
怖かった水曜日、取るに足らない存在だったこと、灰色の部屋に次々に届く花束…。愚かで、みじめで、哀しい、そして愛しいそれぞれの出来事。パールマンの物語の中に自ら入り込んでいくと見えてくる宝物のような情景。広い部屋のあちこちに散らばっているように見える物語の片鱗は、無駄なくこの世界を構築しています。
発行:亜紀書房
発行年:2021年
サイズ:四六判
ページ:272p