Reborn-Art Festival 2019への参加をきっかけに、石巻の牡鹿半島へ通うことになった写真家の津田直さん。
さらなる北への旅のなかで鹿踊りと出会った津田さんは、宮沢賢治の「鹿踊りのはじまり」の言葉を辿りながら、自然と人間の狭間を行き来する鹿の存在を見つめます。
山と海を繋ぐように生きる鹿。
自然と人間のあいだに引かれたどうしようもない境界線。
大地を踏む力強い鹿踊りの足音、すすきが風に揺れる音、眩しいほどの陽の光がひしひしと感じられるこれらの写真には、静かな鎮魂の思いが込められています。
ジャバラ折りのすこし複雑な造本は、まるで立体作品のようでもあります。心のこもった美しいデザインは、須山悠里さんによるものです。
発行:handpicked
発行年:2021年
サイズ:A5判変型
ページ:40p / 蛇腹折