






岐阜県郡上市最奥の集落、標高700メートルほどの場所にある石徹白(いとしろ)で暮らす著者の岩瀬崇さん。
石徹白という環境で立ち現れ、自らを変容させ構築していった世界を、散文や詩や引用といった、さまざまな形態のことばによって定着させることを試みています。
宮沢賢治、タゴール、熊谷守一、オキーフ、ズンドー、などについて、季節の移ろいや現れる生き物たちについて、蓄積されたことばがあふれるように書き留められた本書。
「生活」に素手で立ち向かい肥大した自己を取り払う途上の姿は、まるで詩人のようです。
「好ましい家に住んでいる人ー例えばジョージア・オキーフ―は、物や家を所有していないように私には映る。物や家は、そのままその人の世界を反映させているだけで、ひとつひとつの物と家主との間には見えない線がある。」
発行:あわ居
発行年:2021年
サイズ:A5判
ページ:236p