



SOLD OUT
"「今日」をわざわざやり過ごしたあとで、大事なことをそっと口にする。この年になって、わたしにもわかってきた。大事なことは、少し遅れてやってくるんだってーー"
悲しくもない、辛くもない、静かに平熱のまま、微かな雨音のようにやってきては消えていく18の掌編。すぐ傍にある日常の光景と、あたり前の日常がふと揺らぐ隙間をそっと描き出しています。
平たい船のある光景、めぐらし屋、月の裏側、十一月の肖像…まるで映画を観ているように目の前に浮かび上がる、記憶や風景のワンシーン。
穏やかな文体に、しだいに呼吸が整えられていきます。
発行:文藝春秋
発行年:2022年
サイズ:文庫版
ページ:208p