







音楽家、パフォーマー、造形作家として活躍した今井次郎(JIROX)さん。亡くなる年の2012年、今井さんは、自宅や入院先での食事を動物や人や可愛いものたちに作り替えては食べることを始めました。
この本は、今井さんが自らのタブレットに残した病と過ごした日々の記録であり、唯一の作品集です。
毎回決まった食器でメニューどおりに提供される病院食。この制約のなかで毎回の食事と戯れながら、いつのまにか「トレー」は「額縁」のように機能していきます。
もういなくなってしまったことを思うと画面に悲しみが映りますが、病を得たからこそ出現したこれらの創作物は、「額縁」をはみ出すほどのエネルギーに満ち、可愛らしくユーモアにあふれています。
バナナの皮で作られた「THE END」の文字からは、ファンファーレが聞こえてくるようです。
*カバーを広げるとポスターになります
発行年:2021年
サイズ:148×210㎜
ページ:124p