人種や階級を越えてフェミニズムを牽引してきたベル・フックス。
アメリカ20世紀後半のフェミニズム運動の流れを概観しながら、その運動の再生を願って書かれた名著の復刊です。
フェミニズムとは、「男性を敵視」した「女性だけのためのもの」ではなく、「性差別をなくし、性差別的な搾取や抑圧をなくす運動」であること。このシンプルな運動の実践が、なんと困難なことでしょう。
人種とジェンダーのこと、暴力をなくすこと、男らしさのこと、身体のこと。性差別というだけではなく、人種差別や階級主義、帝国主義へとつながっていく家父長主義に抵抗する、健全で豊かな思想への一歩を導く本です。
「未来への洞察力にあふれたフェミニズムは、知恵と愛の政治である。わたしたちの政治学の魂は、支配をなくすことへの心からの賛同だ。愛は、支配や強制にもとづく関係からはけっして生まれない。」
発行:etc.books
発行年:2020年
サイズ:四六判
ページ:192p