





詩を読むことのおもしろさを伝えようとフリーペーパー『詩ぃちゃん』を製作していた大阿久佳乃さんの書き下ろしエッセイ。
おどろくほど達観したものの考え方、自身の感情の把握、詩や小説の鑑賞力。それと若さが持つ苛立ちや焦燥感が同居した文章は、随所で胸がつかえるほどに感動します。
心に寄り添う本たちと共に、出口を求め、世界と向き合い、模索するひとりの女性のみずみずしい姿。この時にしか感じられない大切な出来事たちが、うつくしい言葉を得て光りを放っています。
「いまの自分はそこにいけない。過去の自分しかいない。私はそのことを抜け殻だ、と感じて、"別人"と言おうとしているのだ。これが懐かしくなる、ということなのかもしれない。」
発行:岬書店
発行年:2020年
サイズ:四六判変形/仮フランス装
ページ:158p