




戦後間もない昭和30年代の新聞の女性投稿欄「紅皿」に掲載された42編の投稿文。戦中戦後、彼女たちが見てきたものや想いが綴られています。
戦地から戻る息子をおはぎを抱えて待つ母親、配給された古い鍋に残る母の思い出、貧しい暮らしの中に親子で見つけたささやかな喜び…。
そこには、女性たちが綴ることばの強さと慎ましさ、時代に翻弄されながらも幸福に向かうためのやりくりをあきらめない、覚悟に満ちた言葉の数々があります。
モノのない時代にあってなお、投稿にはたくさんの食べ物が登場します。おいしいね、と頷き合える日が続くことを願わずにはいられません。
「どんな不幸を吸っても、はくいきは感謝でありますように」
発行:西日本新聞社
発行年:2016年
サイズ:四六判
ページ:216p