"音や景色、記憶に願い。名前って、いろんなものの詰まった、いちばん短い「ものがたり」だーー"
チェロの形をした湖のほとりでコアユを釣って暮らす若い男。小舟で湖に漕ぎ出しては、ときおりレコードを奏でる蓄音機の針を垂らし、回転する湖の底から「ものがたり」を釣り上げる。自らの歴史につながる4世代100年にわたる物語が次々に目の前に姿を現していく。チェロの音が響く湖の心地よい静けさ、遥かな時間の経過、湖底に静かに蓄積していく記憶を呼び覚ます、圧倒的な幻想譚。著者の真骨頂と言える大長編。
発行:新潮社
発行年:2025年
サイズ:四六判
ページ:912p