「ママに日記を書くのは夜がいちばん。だれにもじゃまされないから。」
およそ200年におよぶ支配からの独立とともに、ふたつに分かれてしまった国。異なる宗教を信仰する者たちが憎み合う場所から逃れるために、ニーシャーとその家族は長い旅にでます。必死で家族を守る父、理不尽さに口を閉ざす子どもたち。自分の気持ちをうまく言葉にできないニーシャーは、亡き母にあてて揺れる心のうちを日記に書きとめていく。
1947年のインドとパキスタンの分離独立を背景に描かれた、少女と家族の物語。ここには、宗教対立による激しい暴力だけでなく、互いの違いをこえた豊かな繋がりもたくさん描かれています。人間に組み込まれた悲しい性(さが)と、違いを抱えながらも共に生きる美しさ。今よりもっと優しい世界の可能性が感じられます。
発行:作品社
発行年:2024年
サイズ:四六判
ページ:248P