太平洋戦争時代に建設された遺構や、取り壊しを控えた公共建築などを被写体とし、記録と表現を共に兼ね備えた精緻な写真・映像を制作する篠田優さんの作品集。
本書は、2017年から2019年にかけて、長野県信濃美術館を撮影した写真と映像で編まれています。美術館の閉館から解体を経て新設までを追い、傍でまなざすことで残された光景は、時間の層をひとつずつ辿っていくかのよう。時を経た壁や照明、コンクリート、ガラス、周辺の植物、集まる鳥たち。ともすれば見過ごされてしまうような細部への視線が、この場所のアトモスフィアを再び立ち上がらせる。写真やヴィデオが記録のためのメディアであるということ、記録するということ、その切実さが伝わってきます。
発行:喫水線
発行年:2024年
サイズ:200×290 mm
ページ:184p