アメリカ・ボストン南部、マザーズ・ヴィンヤード島。20世紀初頭まで遺伝性の聴覚障害を持つ人が多く見られたこの島では、聞こえる聞こえないに関わらず、誰もが手話を使って話していました。手話が「特別な言語」ではなく、共同体言語として営まれていた暮らしの中には言葉の壁は存在せず、社会の壁も存在せず、ハンディキャップという概念が生まれていませんでした。障害の問題は、障害それ自体ではなく、共同体や社会とのコミュニケーションの不全にあるのかもしれません。
島で暮らしていた人びとの声を集め、言語、歴史、障害、共生社会などの面から消えつつあった島の歴史を記録した、フィールドワークの傑作。
長らく絶版となっていましたが、このたび文庫版となり復刊されました。
発行:早川書房
発行年:2022年
サイズ:文庫判
ページ:304P