夜明けの仄暗い風景、夏の日差しに温んだ川、都電から見える家、川沿いのコンビナートや飛行場。東京の街が移り変わっていく、少年時代の遠い記憶が綴られています。失われてしまった風景を紡ぎ直すような、美しく儚い42の掌編集。海辺の情景と忘れ難いシーンが鮮やかに脳裏に浮かび上がります。
「暗闇が次第に明るくなり薄い、透き通った空気のなかに家々の形がぼんやりと見えてくる。電気の光が朝の自然光のなかで次第に力を失ってゆく。その時間、町は大きなガラス玉の中に入ったように見えたーー」
発行:ベルリブロ
発行年:2024年
サイズ:四六判
ページ:216p