




哲学研究者・哲学対話ファシリテーターの永井玲衣さんによる日記とエッセイ。渋谷のこと、サッカーを楽しむこと、哲学モメントのこと、ルールを陥落させたこと、スマートフォンをなくしたこと。日常のささいな出来事から生まれる問いに流れるように思考を巡らせ、世界の輪郭を確かめていく。どんな人にもことばがあり、問いがあり、考えていることがある。それが何にもならないものだとしても、それらの生の断片を聞き拾い集めることで、「ない」ものではないということを証明していこうと試みる。哲学は心細い、さみしくて、わからない。いつも持て余し気味の哲学を、永井さんはそれでも手放さずに考えつづけている。
「世界にはまだ奥行きがあるということを信じられたとき、絶望と希望が生まれる。圧倒されるような果てしなさに膝をつきたくなる絶望と、ここが行き止まりではない希望だ。」
発行:大和書房
発行年:2025年
サイズ:四六判
ページ:240p