



娘たちとの青森での暮らし、ふとよみがえる故郷ルーマニアの記憶が、語られることのなかった女性たちの魂と交錯する。弱者としての女性、みえない存在としての女性たちの知ることのなかったエピソードを、彼女たちの痛みの出来事を、著者は代わりに物語ることで彼女たちの輪郭を取り戻しにいく。自己と他者、現実と幻想のあわいを行き来しながら綴られた新境地のエッセイ。世界はみえないものでできているかもしれない、その問いが確信に変わります。
「世界は私なしで回っていくが、私にしかできないことがあるーー」
発行:柏書房
発行年:2025年
サイズ:四六判
ページ:240p