





青く透明感のある街の風景画、鈍い褐色を基調としたポートレイトなど、静けさをたたえた作品が印象的な画家、松本竣介さん。幼少期から岩手県花巻市、盛岡市で過ごした彼は、病のために13歳で聴力を失うという凶事に見舞われながらも、36歳で亡くなるまで困難な時代の人生に敢然と立ち向かいました。本書は、彼の次男で絵の中にも描かれている松本莞さんによる評伝です。親しかった画家仲間、研究者、画商たちの回想や、家族の思い出や逸話を織り交ぜながらその生涯を辿ります。家族と芸術を守ろうとしたひとりの画家の姿が浮かび上がります。
発行:みすず書房
発行年:2025年
サイズ:A5判変型
ページ:384p