児童文学者、小説家、詩人、劇作家として活躍したエーリヒ・ケストナー。ナチスに睨まれながらも、第二次世界大戦中に祖国ドイツを離れることはありませんでした。空襲、迫害、物資の不足…戦争の中の日常、第三帝国の下劣さ、戦時下や終戦を境にあらわになる人間性を、鋭いまなざしで捉えた記録。現代に生きる私たちは、そこから何を受け取ることができるでしょうか。青い束見本に密かに綴られた日記の全訳が収められています。
「ーー戦時下の日常で起きた重要なことを、きょうからひとつひとつ書き残すことにする。そういうことを忘れないために書くのだ。この戦争がどのような結末を迎えるにせよ、意図して、また意図せずに忘却され、改変され、解釈され、また再解釈されてしまう前に。」
発行:岩波書店
発行年:2024年
サイズ:A5判
ページ:350P