パリからリスボンに向かう飛行機の中から始まる物語。穏やかな心地良さが行間からあふれ、幸せな旅を予感させます。パリ、リスボン、マドリード、ローマへ。イラストレーターである主人公が際会する旅の出来事と、日本にいる恋人への手紙、たくさんの出会いと別れ。
没後10年となる2024年の節目に、今まで日の目を見ることのなかった幻の小説(未完)が初めて書籍化されました。旅先で手にした宝物についてのエッセイ、写真やスケッチも収められています。繊細にして力強い輪郭線、シンプルな軽快さの中にある郷愁。そんな水丸さんの作品をそのままに表したような大切な一冊です。
発行:小学館
発行年:2024年
サイズ:A5判
ページ:176P