"そう遠くない過去に、人間としての尊厳を手放さずに生きた人々のその生は、この狂気の時代にあって、生きることの本来の意味を、深々と見せてくれるだろうーー"
(刊行によせて)
民話採訪者の小野和子さんによる待望の第二作目の著書。前作『あいたくてききたくて旅にでる』におさめられた8名の民話の語り手たちの「その人」「その暮らし」に焦点をあて、厳しくも豊かな人生と互いの交流を綴った随筆集です。各章にはそれぞれの語り手が記憶しているとっておきの一話も。語られる民話の滋味深さはさることながら、その合間に聞く、その人ならではの人生のおもしろさは、生きた民話の姿であるといえるでしょう。
深い土色の表紙カバーを外すと現れるのは、美術家・菊池聡太朗さんの作品「Burned mountain」。荒々しくもあたたかい風景と人びとの暮らしを現したような作品です。
発行:PUMPQUAKES
発行年:2024年
サイズ:A5判変形
ページ:324P