"「男」とは乱暴で汚らしいものでしかないではないか。内面化したミサンドリーに阻まれて、自身の性と向き合うことはなかなかに困難であった。そんななか、『ベイブ』を再発見したのであるーー"
全霊で考え続ける会社員、柿内正午さんによる映画「ベイブ」論。農場に引き取られた子豚のベイブが、立派な牧羊豚になるために奮闘する映画「ベイブ」を題材に、現代における「男らしさ」や「父性のありかた」について思索をめぐらせる。構造的強者であるという事実を認めること、決して曇ることのない批評の目、少しでもマシなほうへと向かおうとする静かな熱意。そんな著者の姿勢は信頼に値します。男性性、父性、というものについて考えるための出発点となる一冊。ロングセラー「会社員の哲学」の精神的続編とも言える本です。
発行年:2023年
サイズ:173 x 105mm
ページ:88p