この本の元となる連載がスタートしたのは東日本大震災から10年の2021年、新型コロナウイルス感染症の拡大、気候変動の影響による自然災害、ロシアによるウクライナ侵攻など、予想もしなかった世界的な災禍が重なった年でもありました。日常に分厚い不安感が広がっていくなか、人びとのことばを集め風景を記録していく。
聞こえてくる声、聞こえてしまった物語と語れなさ。日常に降り積もるそれらの痛みとそれぞれの声に触れる方法を、著者は手探りで探し続けています。 多くを失い、身一つになっても、人びとは身を寄せ合い、語らう。そのなかに灯されたひとすじの物語を繋いでいくための記録。
発行:生きのびるブックス
発行年:2023年
サイズ:四六判
ページ:288p