"「歌えない」こと、「語れない」ことは、恐ろしく苦しいことです。近代とは、そんな時代だと思います。"
朝鮮からのコメ難民の末裔である作家・姜信子さんと、南三陸のコメ農家に生まれた社会学者の山内明美さんによる往復書簡。
関東大震災、水俣の水銀公害、東日本大震災、原発事故、辺野古の埋立…。離郷と土着という対照的なふたりのまなざしで、排外と差別が巣食う社会構造の深層に触れ、現代の東北へと重ね合わせる。
「奪われた野にも春は来るのだろうか」 植民地時代の朝鮮の詩人・李相和の詩を道標に、過去から現在までの無数の「奪われた春」をたどる思索の交歓が編まれています。深い対話の書。
発行:白水社
発行年:2021年
サイズ:四六判
ページ:258p