死にかけた世界に取り残されたひとりの女性。崩れ落ち、墓場となった都市の中を、かつての思い出を抱きしめて彼女は彷徨する。ここでは過去と現在が混濁し、未来だけがない。
私たちの日常は、ほんとうは危ういバランスの上にやっと成り立っていて、昨日まであたりまえだったことがあっという間に失われてしまったりする。破滅ではなく緩慢な終わりへと向かっていく世界で、仮定のうえに毎日が成り立っているのだとしても、私たちは明日の準備をする。選択肢は無数にある。わずかな対話と共鳴によって変わっていく「asleep」の意味に、ささやかな、けれども確かな光を感じます。
墨を用いた独創的な手法で描かれた、鈍色を基調とした静かな大判漫画作品。
発行:青土社
発行年:2021年
サイズ:B5判
ページ:53p