春が目をさまし、冬のところへ行って交代すると、寒さはだんだんやわらいできます。そういえば、春は秋に会ったことがありません。秋はいったいどんな子なのでしょう。そこからはじまる春と秋の手紙のやりとり。
満開の桜のこと、山のきのこと、真っ赤に染まる紅葉のこと、青い空はいっしょなこと。顔も知らない、話したこともない相手と対話を重ねながら、少しずつお互いのことを知っていく春と秋。けれど、何度目かの手紙を預けたとき、春はこれで最後にしようと言い出します…。
知れば知るほど近くに感じ、遠くにも感じるお互いのこと、そして自分自身のこと。めぐる季節の中にひそんでいた、切なくてやさしいお話です。
絵/吉田尚令
発行:小学館
発行年:2019年
サイズ:B5判変型
ページ:32p