





「昔はよかったわね。地球は丸くなかったもの。今は足元がぐらぐらして、地団駄も踏めないわ。ポーラチケはひとりでは踊れないのかしら。」
京都の街の空気の中、小気味良いテンポで繰り出される活力あふれる言葉たち。登場する人びとや周辺の出来事は、つい昨日のことのようでもあり、遠い昔の思い出話のようでもある。独特の跳躍ぶりで、読者を思わぬところまで連れて行ってくれます。
「乙女の密告」で芥川賞を受賞した赤染晶子さんの初めてのエッセイ集。惜しくも2017年に夭逝されましたが、彼女のひたすらなユーモアと飛躍した想像力に、思わず笑いがこぼれます。
岸本佐知子さんとの交換日記を併録。
発行:palmbooks
発行年:2022年
サイズ:四六判変形
ページ:208p